2012.09.06
アルミニウム合金の強度と熱処理
弊社は、アルミニウム合金の強度に関わる熱処理を行なっています。
熱処理によって、素材を硬くしたり柔らかくしたり、歪みを除去することができます。
アルミニウム合金は配合によって様々な種類があり、熱処理をすることで硬くなるアルミニウム合金と、そうならないものがあります。
アルミニウム合金の硬さを増すための熱処理は、質別記号でT4・T6・T7が一般的です。そして、材質によって温度や硬さの規格が決まっています。
T4は、溶体化処理後に焼入れを行なってから自然時効させる熱処理です。溶体化処理というのはアルミ合金によって違いますが、だいたい500℃前後で数時間キープをすることです。そしてそのあとで急冷をします。
少し難しい用語では、溶体化処理は「均一固溶体」を得るために行い、焼き入れは「過飽和固溶体」を得るために行います。
T6は、焼入れ後に人工時効硬化処理を行なって「析出硬化」を得ます。T4の場合はあえて熱を加えないので「自然時効」と呼ばれます。「人工時効」は、200℃前後で数時間加熱します。
T7は「過時効」と呼ばれ、耐剥離腐食性や耐応力腐食割れ性の向上を目的として時効時間を長くしたものです。硬さのピークより更に長く熱処理を行うため、硬さはT6よりも低くなります。
その他の熱処理としては、高温から急冷をしないで歪み取りを目的としたものや、プレスの前などに素材を柔らかくするための熱処理もあります。
アルミ熱処理は、それぞれに特徴があり、やり方も違います。
焼入れについては、弊社では歪みが少なくなる空冷のエアブローも行なっています。単に冷却するだけですと扇風機を当てれば良いのですが、急冷に近い状態にするには扇風機では熱を効果的に奪うことができませんので、別の方法で行います。
他にもアルミ熱処理に関するノウハウは色々とありますので、何かご質問等がございましたらいつでもお問い合わせをいただければと思います。
よろしくお願いいたします。