2021.10.21
溶接をした製品のT6処理について
A6061材などで、角材を使ったフレームのようなものや、円盤にポールを立てたような形状のものなど、溶接で仕上げてある製品の熱処理を依頼されることがあります。
A6061だけでなく、他のアルミニウム合金などでも溶接された製品は多いのですが、よくあるお問い合わせでは6000系が多いようです。
問い合わせについては、すでにT6処理をされた製品同士を溶接した場合に、溶接した箇所の強度が低下しているので再度T6処理をすると強度が増すかどうかです。
その場合には、やはりT6処理を行うことで強度が増します。
T6処理は、あまり何回も繰り返すと硬さが出なくなってきますが、3回ぐらいまでですとなんとか大丈夫です。ただ、色が黒くなっていく場合があります。
溶接をすると、その箇所はアルミが溶ける温度まで加熱されるわけで、その後に大気中で自然に冷却されますので焼鈍されたような効果が発生します。
そのため、加熱された部分の強度が弱くなった状態になります。
溶接後にT6処理を行うことで、それらの箇所の強度が復活します。
T6されていない素材を溶接した場合も同様に、溶接後にT6処理を行うことで強度が増します。
通常で販売されている棒や板などはT6処理されているものが多いので、溶接後に再びT6する事例があります。
色々なパターンもありますので、もし何か気になることなどがございましたら、お気軽にお問い合わせをしていただければと思います。
よろしくお願い致します。