2022.10.05
T5処理について
T5の熱処理とは、高温加工から冷却後人工時効硬化処理したもので、鋳物または押出材のように高温の製造工程から冷却後積極的に冷間加工をおこなわず、人工時効硬化処理したもの。
おもにT5は歪み取り、寸法の安定化、被切削性の向上目的のための熱処理になります。
余談ではありますが、以前にお問い合わせで「T5処理された製品をT6処理できるか?」と質問がありました。
実際に事例としては、お客様の要望で、薄い板状の製品を実験的にやって欲しいとのことでしたのでT6処理をしてみました。
結果は炙ったスルメイカのように反りがでて歪みました。
予想はしていましたが、やはり製品の形状などによって大きな影響の差がでることがわかりました。
また話は戻りますが、T5処理をしますと若干硬さが増す場合もありますが、通常はほぼ硬さに変化はありません。
お客様によっては、T5処理に関しては硬さの測定は必要無いとおっしゃっる場合もあります。
そしてまれにですが、材質の不良が発生する場合があり、硬さ測定を行うことで材質不良を発見する可能性もあるため、その目的も含めて毎回データを提出する場合もあります。
その時にはJIS規格を基準にしますが、別に管理値を決める場合もあります。
弊社では提出が必要なデータの御相談など随時受付ておりますので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。