2020.11.04
保持時間の異なる試作品について
アルミニウム製品の試作で、異なる温度や時間での熱処理の依頼があります。
試作で熱処理の温度を変えて行う場合には、1個や5個など少数の場合があります。
温度が決定した場合の試作は、実際に製品にしたり各種の試験をする必要から数百個単位の場合もありますが、温度を決める場合には少ない事があります。
ある程度の温度と保持時間は規格で決まっているのですが、例えば「変形の心配から温度を低くしたい」というときは複数の温度条件、「過時効を行ったときの硬さを知りたい」というときには複数の保持時間でテストします。
また、溶体化処理での変形を調べるために保持時間を変えることもあります。
そのような場合に、温度が違うときには一緒に熱処理を行うことは出来ませんが、保持時間が異なる場合には一緒に炉に入れて、途中で取り出すことも可能です。
溶体化処理の場合には、蓋を開けると温度が下がるために少し工夫が必要ですが、人工時効硬化処理の場合には蓋を開けても影響はあまりありません。
そのようにするメリットは、次のようになります。
1.試作費用を安くできる。(熱処理の回数が少ないため。)
2.早く結果を知ることが出来る。
もちろん、ひとつひとつをきちんと熱処理してデータを取ることが理想ですので、これは選択肢のひとつになります。
熱処理の方法などでご要望がございましたら、出来る限りそれを実現できるようにと考えておりますので、お気軽にご相談をいただければ幸いです。