2012.05.17
アルミニウムの熱処理の目的について
熱処理の目的についてのお問い合わせをいただくことがあります。
大雑把に言いますと、T6は硬くする、T5は歪取り、焼鈍は軟らかくするという感覚ですが、もう少し詳しくすると、下記のようになります。
O(焼きなまし、焼鈍) 残留応力の除去、寸法の安定化および伸びの向上
T4(溶体化処理) 機械的性質の向上、耐食性の向上
T5(焼きもどし) 硬さおよび被切削性の向上、寸法の安定化の向上
T6(溶体化処理後焼きもどし) 最高の強さの向上
T7(溶体化処理後安定化処理) 強さを向上するとともに、高温度の使用に対しての寸法安定性を確保する
※参考文献 アルミニウム技術便覧 カロス出版
T7は通常は「過時効処理」とも言われ、焼きもどしの時間をT6よりも少し長くするだけの場合でも、T7と呼ばれることがあります。
T7は主に7000系の合金に用いられます。
ちなみに、T5やT6というのは調質を表す記号で、質別と言われます。
熱処理に関するご相談等も受けておりますので、よろしくお願いいたします。