2015.06.10
アルミニウムのブリネル硬さ試験について
ブリネル硬さ試験とは、丸い金属製の球を荷重をかけて押し込み、そのくぼみの直径によって硬さを測定する方法です。
アルミニウムの熱処理でブリネル硬さ試験を行う場合には、直径10mmの球を500kgの荷重をかけて押し付け、その直径を測定する方法が主にとられています。
最近は、kgをNで表記するようになってきていますので、その場合には4.903kNとなります。荷重に関しては、「試験力=F」と表記されます。
一般的に、鋳物などはT6処理によってブリネル硬さが90前後、鍛造品はもっと硬くなります。
くぼみの直径が2.5mmがブリネルで100という数値になります。
押し付ける球の直径や荷重により、同じ大きさでも測定値が変わりますので、必ず10/500のような、どのような測定をしたのかを併記する必要があります。
詳細についてはJISのZ2243を参照していただければと思います。
測定については、小数点以下2桁までの測定値が算出表に出ていますが、実際には拡大鏡で見て測定するため、そこまで詳細な数値を確定することは難しいため、「約2.5」ということになっています。
通常は、硬さ測定の結果に関しては「範囲」があるため、そのような測定方法でも合否判断は行うことが出来ます。
ただ、cpkの計算を行うと、正確な数値で測定できないため、結果をあまり参考に出来ないことになります。
cpkの結果を良くするために、例えば2.45ぐらいの直径のものを、2.4にするか2.5にするかによってデータの分布が変わります。
ブリネルの測定値としては、2.4が109、2.5が100ですから、その差が9とかなり大きなものになってしまいます。
くぼみの直径も真円にはならないため、精密な測定をしようとしても正確には出てきません。
このあたりは、管理するときに問題になる点です。
管理する方法、合否判定などはメーカー様によって異なっておりますので、その都度話し合いによって決定しています。
良い製品を常に作るためにも、管理方法については納得のいくまで色々と検討していければと思っています。
不明な点などは、いつでもお問い合わせをいただければ幸いです。