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ロックウェルの硬さ測定について

2012.05.31
ロックウェルの硬さ測定について

HRBと呼ばれるロックウェルでアルミニウムの硬さを測定する場合、毎回同じ数値になることはまずありません。だいたい、近い数値になります。

これは、「硬さ基準片」とも呼ばれる「標準試験片」を測定したときも同様です。

硬さに関しては、3箇所を測定して平均して出たものを「その製品の硬さ」として扱うことが多いのですが、5箇所以上測定して最大値と最小値を除いたものを平均する場合もあります。

これは、製品を管理するときに製造の傾向を見るためにも有効な方法です。

ただ、「硬さが規格値に入っていれば良い」という場合には、1箇所を測定して規格内であればそれで合格にするときもあります。

これらは、あくまでもお客様との取り決めですので、その都度ご相談させていただいております。

硬さに関しては、測定にバラツキはあるものの、軟らかいものが硬く測定されることはありません。逆に、硬いものが軟らかく測定されることはあります。

つまり、ある硬さの基準があって、それよりも硬い場合に合格というときには、1点でも硬い測定結果が出ればその製品は基準を満たしているということも考えられます。

量産の場合には、「必ず硬さが出る」という熱処理方法を決め、通常はその通りに運用しますので、熱処理の記録チャートを見て温度と時間が決められた通りであれば、硬さの測定もそれほど多くを行う必要は無い場合が多くなります。

また、熱処理の工程を詳細に把握したい場合には、硬さ測定用のワークを取り出す位置を決めるなどしてデータを蓄積していくことも可能です。

1回の熱処理で硬さ測定をどのくらいの数量で行うかについても、その都度ご相談をさせていただいております。例えば、「費用はかかっても全数測定して欲しい」という要望がございましたら、それでも大丈夫です。

ご不明な点などございましたら、いつでも気軽に御連絡をいただければと思います。

2012.05.24
アルミニウムの丸棒の熱処理

アルミニウムの丸棒、あるいはパイプは、普通に溶体化処理(T4やT6の焼き入れ)をすると大きく変形します。

基本的には炉の中に立てて入れて、水冷をするときにも立てた状態になります。

過去に、横に置いたりナナメにしたりと色々と実験をしてみましたが、変形をしないようにするのは少し工夫が必要です。

現在は、大抵はまとめてハリガネで縛っていますが、他のやり方もあります。

基本的には、ガッチリと固定して熱処理をした方が変形は少なくなります。

しかし、厚さが1ミリなどの薄い板の場合には固定をしても変形が大きくなるため、水冷後に叩いて修正することになりますが、元の通りの板にするのは大変です。

また、ある程度の厚みがあっても大きなものですと、やはり歪が生じます。

熱処理のご依頼につきましては、その都度、変形の有無の予想と対処方法等のやり方についてお話をさせていただければ幸いです。

今後も高品質のアルミ熱処理を心がけていきますので、よろしくお願いいたします。

2012.05.17
アルミニウムの熱処理の目的について

熱処理の目的についてのお問い合わせをいただくことがあります。

大雑把に言いますと、T6は硬くする、T5は歪取り、焼鈍は軟らかくするという感覚ですが、もう少し詳しくすると、下記のようになります。

O(焼きなまし、焼鈍) 残留応力の除去、寸法の安定化および伸びの向上

T4(溶体化処理) 機械的性質の向上、耐食性の向上

T5(焼きもどし) 硬さおよび被切削性の向上、寸法の安定化の向上

T6(溶体化処理後焼きもどし) 最高の強さの向上

T7(溶体化処理後安定化処理) 強さを向上するとともに、高温度の使用に対しての寸法安定性を確保する

※参考文献 アルミニウム技術便覧 カロス出版

T7は通常は「過時効処理」とも言われ、焼きもどしの時間をT6よりも少し長くするだけの場合でも、T7と呼ばれることがあります。

T7は主に7000系の合金に用いられます。

ちなみに、T5やT6というのは調質を表す記号で、質別と言われます。

熱処理に関するご相談等も受けておりますので、よろしくお願いいたします。

2012.05.11
アルミニウム以外の熱処理について

たまに、アルミニウム以外の材質の熱処理の依頼を受けることがあります。

プラスチック、コンクリート、木材、ガラス、鉄、マグネシウム、銅、ステンレス等々です。

弊社の設備はアルミ熱処理を対象にしておりますので、だいたい最高で550℃ぐらいまで温度を上げることが可能です。

その温度の範囲であれば、アルミニウム以外のものでも試験をすることが可能です。

昇温時間や冷却時間のコントロールについても希望があればご相談させていただければと思います。

電気炉に入れる作業については、もし製品の取り扱いが難しく、熟練した技術者が必要な場合には弊社の工場内で作業を行っていただくことも可能です。

また、硬さの測定をしたいということで、熱処理無しで持込をされるお客様もおりますので、それについてもご希望がありましたらご連絡いただければと思います。

よろしくお願いいたします。