2012.10.25
熱処理の実体試験のポイント
熱処理の実体試験(実態試験)は、アルミ製品に穴を開けて、そこに熱電対の素線(温度センサー)を入れることにより、熱処理中の温度変化を直接計測する方法です。
通常は、炉内は雰囲気温度を計測しています。「雰囲気温度」という言葉は、炉内に窒素ガスや水素ガスなどを入れた炉でも使える用語で、弊社はガスは使用せずに普通の大気中で熱処理を行なっていますので、「空気の温度」と言っても良いと思います。
そして、その「雰囲気温度」は、実際の製品の温度とは「ずれ」があります。
例えば、水を沸かすときに炎の温度は高くても実際の水の温度とは「ずれ」があります。
冬にこたつの中の温度が上がっていても、その中に何かを入れた時にもすぐにこたつの中の温度と同じになるわけではありません。
そのようなときには、こたつの中に入れる物に直接温度センサーを入れて、何分ぐらいでどのように暖かくなるかを計測することで実際の温度変化を知ることが可能になります。
アルミの熱処理の場合、弊社の炉は多い場合には1度に1トン以上の製品を入れることができます。
そのときに、
「どの部分が1番早く温度があがり、どの部分が遅いのか。」
また、
「全体的に温度が落ち着いたときに、全体の温度が均一なのかバラツキがあるのか。」
などを知ることができます。
温度の上昇が早い部分と遅い部分の差が、例えば設定温度に到達するまでの時間が3時間も差がでるとよくありません。
また、保持に入っても中の温度のバラツキが20?30℃もあるような場合もよくありません。
実体温度測定を行うことにより、製品の炉内への入れ方を最適化することができます。
アルミ熱処理の炉内への入れ方に関するノウハウも蓄積しておりますので、色々な形状にも対応することが可能です。
何かご質問等がございましたら、お気軽にお問い合わせをいただければと思います。よろしくお願いいたします。