2014.05.29
アルミ熱処理のロックウェル硬さについて
弊社では、アルミニウムの硬さはロックウェルとブリネルの2つの測定方法を用いています。
使い分けに関しては、製品の大きさやお客様からの指定で決まります。
硬さに関しては換算表がありますので、どちらかの試験機で測定しても測定結果は両方の数値で確認することができます。ほぼ同じ結果になります。
ブリネル試験機は、丸い玉をアルミニウム製品に押し付けて、そのくぼみの大きさで硬さを判断します。
ロックウェル試験機は、小さな玉や円錐型のものをアルミニウム製品にに押し当て、さらにそこから力を加えてどのくらいの深さまで入っていくかを測定する仕組みです。
かなり大雑把な説明ですが、上記に関してはもちろん押し当てるものの大きさや荷重、測定方法について厳密にルールが定められています。
測定によって製品の性質を知り、合否判断にも使用するので当然ですが。
そして、その測定結果が正しいかどうかは、標準試験片と呼ばれる基準片を測定して機械の表示が正しいかどうかを判断したり、機器の点検や検定なども定期的に行っています。
アルミ熱処理に関しては、測定についてもノウハウがありますので、不明な点などございましたらいつでもお問い合わせをいただければ幸いです。
2014.05.22
アルミニウム合金の調質について
アルミニウムは、色々な製品に使われていますが、強度を高める必要がある場合などは純アルミで使われることはなく、Mn、Si、Mg、Cuなどの元素を加えたアルミニウム合金として使用されます。
そして、冷間加工や熱処理などによって強度や成形性などを調整することが可能で、それは「調質」と呼ばれています。
そして、どのような調質を行ったかということを示すために「質別記号」というものがJISで定められています。(JIS H 0001)
加工硬化に関する質別記号はHで、熱処理に関連するのは「焼きなまし(焼鈍)」の”O”、「溶体化処理」の”W”、熱処理記号の”T”があります。
弊社はアウトソーシングとしてのアルミ熱処理がメインですので、アルミニウムの質別記号でよく使うのは「O、T4、T5、T6、T7」になります。
“T”で始まる記号を「熱処理記号」や「熱処理の種類」と言う場合もあります。
この記号は、図面にも書かれていることが多いので目にされることもあると思います。
弊社はアルミニウムの熱処理が専門ですので、何か疑問点などございましたら、いつでもお問い合わせをいただければと思います。
よろしくお願いいたします。
2014.05.15
ADC12のアニール処理について
アルミニウムの熱処理のご依頼で、ADC12のアニール処理があります。
アルミ・ダイキャスト(ダイカスト)の製品によく使われているADC12は、熱を加えることで内部のひずみを取り除くことが出来ます。応力除去とも言います。
アニール処理という言葉は、この応力除去を指すのですが、場合によっては焼鈍(焼きなまし)をするときにも使います。
通常、ひずみ取りを行う場合には温度は低めで、焼鈍のときは高めですが、製品によって異なります。
低い温度で保持時間を長くしたり、高い温度で保持時間を短くすることもあります。
同じADC12の製品のアニール処理でも、熱処理の温度と保持時間は色々な組み合わせがあります。
弊社はADC12については、主に自動車メーカーやカメラメーカーの製品を扱っていますが、製品ごとというよりはメーカーごとに規格があるようです。
詳しい温度条件は特にここには掲載しませんが、もし詳細についてお聞きになりたい場合には、お気軽にご連絡をいただければと思います。
その他、アルミ熱処理についてのご相談もいつでもお受けしております。
よろしくお願いいたします。