2014.11.20
アルミ熱処理後の引っ張り試験について
アルミニウムの熱処理を行う目的は色々とありますが、主なものはやはり「硬さの調整」ということになります。
「硬さ」は、引っ張り強度、切削の加工性、鍛造の加工性などに適した素材かどうかの判断に用いられます。
通常は、機械的性質は硬さと相関関係にありますので、目的の機械的性質が実現できたかどうかを知るために硬さ試験を行います。
硬さそのものが目的になるということよりも、製品の目的の機械的性質を知る代替手段としての硬さ測定ということが多くあります。
また、引っ張り試験に関しては、製品を使用する状況で試験をした結果で目的の強度が決まり、その硬さを目的としても良いのですが、実際に製品と一緒に引っ張り試験用の試験片を熱処理して、その試験結果を見て判断する方法を用いる場合もあります。
熱処理をする製品と同じアルミニウムの材料で作った試験片を一緒に熱処理することで、その試験片の試験結果の強度が製品と同等であると推測されます。
熱処理の場合は、やはり製品を直接的に破壊試験することは不可能なので、このように類推できる手段を用いて品質を確認しています。
炉の中への投入方法や熱処理の温度や時間が同じであれば、毎回そのような試験を行わなくても品質は同じであるということができるのですが、やはり毎回確認したほうが何かあったときにスムーズに対処できるようになります。
ただ、やはりそれにはコストがかかりますので、それを行うかどうかはコストを考慮した判断になります。
他にも、せん断試験、曲げ試験、圧縮試験なども同様です。
試験片を炉の中のどの位置にどのように入れるかなど、詳細な打ち合わせをすることも可能ですし、ご希望があればその通りに行うことも可能です。
アルミニウムの熱処理に関するお問い合わせは、いつでもお気軽にご連絡をいただければ幸いです。
加熱保持についてはアルミニウム以外のどのような材料についても熱処理可能ですので、それについてもお問い合わせをいただければと思います。
よろしくお願いいたします。