2015.01.14
溶体化処理における変形について
アルミニウムの熱処理で、溶体化処理は500℃前後まで加熱をしてから急冷を行います。
急冷のときに変形が起こることは良く知られていますが、500℃を超える温度まで加熱をすると、高温による変形が起こります。
そして、熱による変形や、炉内への詰め方によっての変形もあります。
炉内への詰め方は、例えば製品を置く向きもありますし、製品同士を重ねて入れたときに下の方の製品に荷重がかかったことに起因する変形もあります。
530℃ぐらいの温度で熱処理を行う製品は、炉内で柔らかくなってきていますので、そこに荷重がかかると変形したり部分的に凹むことがあります。
低い温度で行う時効硬化処理に関しては、製品同士を重ねての荷重による変形については、ほとんど起こりません。主に応力除去の過程での変形の方が要因としてはあります。
そして、溶体化処理からの急冷時の変形に対しては、水温や水量、水への入れ方などで変形の度合いも変わってきます。
昔と比べて寸法の精度も上がり、また加工代(かこうしろ)も少なくなっていますので、変形の少ない熱処理方法が求められています。
アルミ熱処理に関するご質問等がございましたら、いつでもお気軽にお問い合せをいただければと思います。