2020.02.12
アルミ熱処理の質別の細分記号について
前回の続きです。
アルミニウムの熱処理に関する質別記号ですが、焼きなましをしたものを「O材」というように質別記号を材料の識別に使う場合もあります。
何も熱処理されていないものは「F」ですので、「F材、エフ材」とも呼ばれます。
そして、よく使われるT5やT6という質別ですが、それは更に細分化された分類があります。
例えば、
T6511 溶体化処理後残留応力を除去し、さらに人工時効硬化したもの:溶体化処理後TX511の永久ひずみを与える引張加工によって残留応力を除去し、さらに人工時効硬化処理したもの。ただし、この引張加工後わずかな加工は許容される。
とあります。TX511のxの部分は数字が入ります。たとえばT4511はT4処理についての規定です。
「永久ひずみを与える引張加工」は熱処理ではなく、他の手段による加工になりますが、そのような加工を行ったことを表す識別記号を用いることで、それらの説明を省力して質別記号だけで材料の状態がわかるようになります。
もし、加工図面にこのような質別記号があってよくわからない場合には、お問い合わせをいただければと思います。
それ以外にも、アルミニウムの熱処理に関するご相談も承っておりますので、お気軽にご連絡をいただければ幸いです。