2021.08.25
加工のタイミングについて
アルミニウムの熱処理は、製品を作る工程の中の1部になります。
熱処理の前工程と後工程は製品によって異なります。
例えば、焼鈍の熱処理をして軟らかくしてから鍛造を行い、その後で強度を出すためにT6熱処理を行って、その後に切削加工を行ったりします。
切削加工のタイミングは熱処理の前がいいのか、後がいいのか、という質問も受けることがあります。
通常は熱処理の後で加工をすることが多いとお伝えしています。
熱処理で変形することもありますし、溶体化処理で水冷のときには製品が傷つきやすいので傷防止をしないといけません。また、強度を増す熱処理の場合には切削がやりやすくなるという方が多くいらっしゃいます。
また、熱処理中の加工のタイミングと言うと矯正加工になります。
T6処理の場合には、溶体化処理の水冷の直後に矯正作業を行います。時間が経つと硬くなりますので、その前に矯正を行います。そして、その後に人口時効硬化処理を行います。
T5処理の矯正の場合には、熱処理後に矯正を行います。熱処理前に矯正を行うと、応力除去の関係で寸法が変化することがあります。それなので、応力が取り除かれた状態で矯正を行います。
T6の場合には、溶体化処理の時に歪みが取れますので、その後に矯正をして焼戻しを行っても寸法に変化はありません。
このように、どのタイミングで加工するかということもありますので、何か疑問などございましたら、お気軽にお問い合わせをいただければと思います。
よろしくお願いいたします。
2021.08.18
硬さの換算表についての動画をアップしました。
アルミニウムの熱処理では、T6処理など硬さを増す熱処理を行った後に硬さ試験をします。
その結果で合否を判定するのですが、硬さの測定にはいくつかの種類がありますので、測定値について他の硬さ測定の値に換算するときがあります。
それについて、少し話をしてみました。
2021.08.04
アルミ熱処理炉の温度制御について
弊社の熱処理炉の熱源は、すべて電気となります。
ガスなどと違い、細かな温度の管理が楽にできます。
また、円柱型の丸型炉は、内部のヒーターの取り付けが上中下の3ゾーンになっていて、それぞれが別の回路で制御されています。
上・中・下の3ゾーンで温度を別々に制御することにより、炉内の温度分布を良好に保つことが可能です。
そして、そのための熱電対(温度センサー)も、上・中・下の3ゾーンにそれぞれ入っているため、温度の記録計も3ゾーン分が記録されます。
通常は、上・中・下では上部の温度が1番遅くなりますので、上部の温度が設定温度になったら保持を開始するようになっております。
保持に入りますと、上・中・下の温度は、ほぼ±5℃以内になります。
電気炉の出力を変えることにより、昇温時間をコントロールしたり、炉内の温度のバラツキを改善することなども可能です。
アルミニウム熱処理の、ご質問等がありましたらお気軽にご連絡をいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。