2013.05.23
アルミニウムの薄い板の熱処理について
アルミニウムの薄い板の熱処理の場合、変形してしまうことがあります。
T5処理のように温度が低いときは大丈夫ですが、焼鈍やT4・T6などの熱処理をするときには注意が必要です。
特に溶体化処理後に水で急冷するときには変形が起こりやすくなります。
焼鈍の場合には、熱処理中に柔らかくなりますので、真っ直ぐな鉄の板の上に乗せたり、熱処理後に矯正作業を行う場合があります。
水冷をする熱処理のときには、鉄板などで挟んでガッチリと押さえても変形することが多く、矯正作業でもなかなか真っ直ぐに戻すことは難しくなります。
変形の主な原因としては、溶体化処理中に高温になって熱膨張するときに、穴が空いていたりスリットが入れられているものは良いのですが、それらが何も無い状態ですと素材が伸びたときに逃げ場が無くなって変形の原因となります。
また、水で冷却するときの製品の温度差も変形の原因になるようです。
形状と変形について、「こうすれば必ずこうなる」というものはありませんので、板の形状や厚みによって熱処理方法をその都度検討することになります。
通常は立てた状態で水冷却をする方が良いのですが、寝かせた方が良い場合もあります。
アルミニウムの板の熱処理についてのご相談等も承っておりますので、よろしくお願いいたします。