2021.11.17
大型アルミ製品の熱処理について
弊社では主にアルミニウムの熱処理を専門に行なっております。
使用している熱処理炉は、電気式のバッチ炉です。
現在、第一工場に11台、第二工場に6台の熱処理炉の設備があります。
その中で最大の炉は、有効寸法が幅2,000×高さ1,500×長さ3,500mmのものです。
処理出来る製品重量は、T6処理の場合ですと治具を使用しますのでクレーンの関係上2トンまでとなりますが、T5処理ではもう少し多くの処理が可能です。
また、大型製品をT6処理した際の変形につきましては、幅1,500×長さ3,000mmの定盤がありますので矯正作業を行うことが出来ます。
定盤には、自社製の油圧プレス機がありますので、ハンマーだけでは難しい矯正作業もスムーズに行う事が可能です。
アルミ熱処理に関してのご質問等がございましたらいつでもお気軽に連絡をいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
2021.11.10
11月は品質月間です。
毎年、11月は品質月間です。今年で第62回です。弊社でも、工場に旗とポスターの掲示をしております。スタッフ全員、バッジを身につけて作業を行なっております。
日頃より、スタッフ全員が品質の維持や品質向上を意識しながら作業をしております。アルミニウムの熱処理は、硬さを規格内に入れる事はもちろんですが、昇温時間や炉内の温度分布にも注意を向けなければなりません。それだけではなく、製品の詰め方や変形・キズ・ダコンなどにも注意を向ける必要があります。その為、弊社では熱処理の勉強会や実体測定などを行ない、品質の維持・向上に取り組んでおります。今後も、お客様に喜んで満足していただけるよう、スタッフ全員で品質の維持・向上の為に改善などを行ない、取り組んでいきます。
アルミニウム熱処理について何かございましたらいつでもお気軽にご連絡いただければ幸いです。宜しくお願い致します。
2021.11.03
製品の変形について
前回のブログで矯正について書きましたが変形について少し深堀りしたいと思いいます。
熱処理で、高温から急冷するT4、T6処理の場合、目に見える形で変形することがあります。
「歪取り」といわれるアニール処理やT5処理、安定化処理も変形が起こりますが、目で見ても
わからないくらいです。
また板状の製品で特に大きさに対して厚みが薄い製品は変形しやすいです。
鉄の板で治具を作ってサンドイッチ状にして変形を物理的に防ぐ方法で処理をした場合でも
治具を外すと変形してしまうことがあります。
AC4Cなどの鋳物製品で、丸い車輪状の製品は円が楕円状になることもあります。
ですので急冷後に矯正作業を行なって元に戻します。
色々な形状で変わってきますので、熱処理の量産を検討する際に、
1個だけ先に試験的にトライさせていただくこともあります。
アルミニウムの熱処理に関してのご質問も随時受付けていますので、
お気軽にご相談していただければ幸いです。
2021.10.27
アルミ製品の矯正
弊社では、アルミニウムの熱処理だけではなく矯正作業も行なっています。
「矯正」は、熱処理を行なった際の変形や、製品を加工した時の反りなどを修正するものです。
熱処理を行なった時の変形は、溶体化処理をしている時、500℃ぐらいに加熱をして保持をする時に熱の影響や自重によって起こるものと、水を使った急冷の時に起こるものとがあります。
作業は、ハンマーや油圧機械による修正を行ないますが、時間が経過すると徐々に硬くなり、矯正がやりにくくなったり製品が割れてしまうことがあるため、基本的には水冷後すぐに作業を終わらせるように計画します。
ただし、製品によっては時間を置いてから矯正をしても大丈夫な物もあります。歪み取り等でT5作業の時は熱処理後、時間をあけての作業でも大丈夫です。
製品のサイズも大きい物から小さい物まであります。それに合わせて使うハンマーも変えていきます。
大型のサイズの場合、油圧式の機械で矯正も可能ですのでお気軽にご相談いただけたらと思います。
宜しくお願い致します。
2021.10.21
溶接をした製品のT6処理について
A6061材などで、角材を使ったフレームのようなものや、円盤にポールを立てたような形状のものなど、溶接で仕上げてある製品の熱処理を依頼されることがあります。
A6061だけでなく、他のアルミニウム合金などでも溶接された製品は多いのですが、よくあるお問い合わせでは6000系が多いようです。
問い合わせについては、すでにT6処理をされた製品同士を溶接した場合に、溶接した箇所の強度が低下しているので再度T6処理をすると強度が増すかどうかです。
その場合には、やはりT6処理を行うことで強度が増します。
T6処理は、あまり何回も繰り返すと硬さが出なくなってきますが、3回ぐらいまでですとなんとか大丈夫です。ただ、色が黒くなっていく場合があります。
溶接をすると、その箇所はアルミが溶ける温度まで加熱されるわけで、その後に大気中で自然に冷却されますので焼鈍されたような効果が発生します。
そのため、加熱された部分の強度が弱くなった状態になります。
溶接後にT6処理を行うことで、それらの箇所の強度が復活します。
T6されていない素材を溶接した場合も同様に、溶接後にT6処理を行うことで強度が増します。
通常で販売されている棒や板などはT6処理されているものが多いので、溶接後に再びT6する事例があります。
色々なパターンもありますので、もし何か気になることなどがございましたら、お気軽にお問い合わせをしていただければと思います。
よろしくお願い致します。